最も多く使用されている代表的形式の熱交換器として、多管式クロスフロー型とシェルアンドチューブ型についてご紹介いたします。   トップへ戻る

 <クロスフロー型>

図1は多管式クロスフロー型熱交換器は、省エネルギーのための熱回収やプロセス用熱交換器等多方面で使用されている代表的熱交換器の一つです。

図1 クロスフロー式熱交換器構造の一例

 

基本構造はシェル側の流体として気体、管内側に気体または液体を流し、伝熱管の外側には伝熱面積を増大させる目的でラジアルフィンやプレートフィンを設けるのが一般的です。

また、伝熱管の材料は主に銅、鉄、ステンレス系が多く使われ、フィン材としては熱伝導率の比較的高く、比重の小さいアルミニウムが軽量化の面で理想といえる。ただし使用温度範囲はせいぜい200以下で、腐食環境が無い事が条件と言える。また、銅管の熱伝導率はこれらの材質の中では最も高く、フィン効率としては理想的であるものの重量的な見地から、通常はフィン材にはアルミ二ウム、管に銅を使用する組み合わせが一般的です。

また、銅管を単独で使用する場合では、転造や抽伸加工が容易であることから、ローフィン加工や管内面の伝熱促進のための溝加工が可能となり、特に冷媒系の沸騰または凝縮用として盛んに使用されています。

一方、ステンレス管はアルミニウムや銅に比べ腐食・高温環境に強く、どちらかと言えば耐食性の面から常套手段として使用される場合も多いようであり、特に石油精製や石炭ガス化などにおける高温機器使用環境(硫化、浸炭、脱炭、水素侵食等の起こる低酸素ポテンシャル雰囲気)於いては質別の選定には十分注意が必要です。

また、排ガスからの熱回収など低温域での使用時には酸露点を避けるような設計配慮も必要となります。

最近では熱回収だけでなく排ガス中の水分回収による水の利用やさらに環境面では水蒸気の白煙防止等、低温域で熱交換器設計の要求も多くなってきております。        

従って、シェル側ガスの水分凝縮を伴う場合についての計算も増加しつつあります。

 <シェルアンドチューブ型>

  シェルアンドチューブ式熱交換器は凝縮器や蒸発器などの潜熱型や液/液方式による顕熱型に至るまで用途は極めて幅広く、使用される伝熱管の材質や形状はクロスフロー型多管式と基本的に変わるものではありませんが、シェル側の管外面構造は通常平滑管かローフィン付き伝熱管が多く、これは主にシェル側に液体を流す関係で管内側との熱伝達率のバランスから必然的にこのような組み合わせがとられるようであります(図2参照)。

代表的な事例として計事例を参照ください。

図2 シェルアンドチューブ式熱交換器構造の一例

 

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